どうして月にはうさぎの模様が見えるの?

「うさぎの餅つき」「女性の横顔」「ロバ」「カニ」「ライオン」など、
むかしから人々は、月の模様を見て、さまざまな想像をふくらませてきました。

でもこの模様、いったいなぜこんなふうに見えるのでしょうか?

それは、月の誕生と大きな関わりがあります。

月の誕生の有力な説の一つとして、地球に火星サイズの天体が衝突して月が生まれたとする「ジャイアント・インパクト説」があります。その説が本当だとすると、誕生直後の月は、天体と衝突したときの衝撃で、内部までどろどろに溶け、マグマオーシャン(マグマの海)が形成されたと考えられます。

マグマは、長い年月を経て少しずつ冷えて、かたまっていきます。
かんらん石や輝石など、黒っぽくて重い鉱石は深いところに沈み、カルシウムやアルミニウムなど、白っぽくて軽い鉱石は、結晶化して表面に浮かんできます。
そのため、表面は白っぽい鉱石に覆われるため、マグマが冷え固まったところの表面は、白っぽく明るく見えます。
(※この白い部分を「高地(こうち)」と呼びます。)

さらに、月が生まれて5~6億年ほどたったころ、巨大な隕石が衝突し、大きなクレーターができました。この大きなクレーターの割れ目から、玄武岩を多くふくむマグマがあふれ出し、クレーター内を埋め尽くしました。
玄武岩は、黒っぽい鉄やマグネシウムを多くふくむので、溶岩が冷えて固まったところは、黒くかげのように見えます。
(※この黒い部分を「海」とよびます。)

このように、表面を構成する物質が場所によってことなるため、月には模様があるように見えます。

■関連:MOVE「宇宙」34-37ページ