深海魚をひろいに行こう!砂浜の怪物『ミズウオ』後編

カラスやトビなどの鳥がうちあげられたミズウオをつつくこともあるが、食べるのはおもに目玉だけ。
あとはためしについばむ程度で食べのこし、おきざりにして飛んでいく。
ここまで相手にされないと、なんだかかわいそうになってくる。

鳥が集まっているのもミズウオが流れついているサイン。
鳥はミズウオを見つけても目玉と体の表面だけ食べてのこす。
<お腹の中にはとんでもないものが!>
さて、ミズウオは見た目がカッコいいことと肉が水っぽくて深海魚のくせに浜べに打ち上げられることのほかにもうひとつ大きな特ちょうがあるぞ。
それはなんでも食べちゃう食いしんぼうであること。

あの大きな口で、海中で見つけたものを手あたりしだいにのみこんでしまうんだ。
だから見つけたミズウオを解剖すると、お腹の中から深海で飲みこんだ生きものが出てくることがある。
ミズウオのおなかから出てきたなぞの生きもの。深海にくらすナマコの仲間かな?
また、浜にうちあげられそうになってもエサを食べることだけは忘れていないようで、フグやアナゴなど浅いところにくらす魚がどっさり出てきたりもする。
浅いところの魚も食べている。うちあげられつつもエサをとるのは忘れないようだ。
そしてさらにおどろくことに、ビニール袋などのゴミを食べていることも多い。
クラゲかイカにでも見えたのだろうか?
中にはお腹の中にビニールしか入っていないミズウオもいる。
こうなってしまうと、ちゃんとしたエサを食べられずに死んでしまうかもしれない。
ゴミを飲みこんで死んでしまうなんてかわいそうすぎるだろう!?

…ミズウオがうちあげられるのは「人間がどれだけ海をよごしているか教えてやる!」という駿河湾からのいかりのメッセージなのかもしれない。

そしてそう思っているのはぼくだけではない。

ミズウオを探すうえで一つのめじるしになるのがネコ。
波うちぎわでネコがなにかを見つめていたら、そこにはミズウオが落ちている可能性が高い。
なにはともあれ、かっこいい魚だから一度は見にいってみよう!
〜深海魚をひろいに行こう!砂浜の怪物『ミズウオ』後編 おわり〜

次回は世界でいちばん大きなザリガニのおはなし!
お楽しみに!