世界一大きなゴキブリはパワフルで家族想い!?
2018.07.06
前回の記事では”巣”らしきものを発見!
指をつっこんでさわってみると……カタい!まるでカブトムシのような手ざわりだ。
つまんで引きずり出そうとすると、指先をグイッと押しのけられる。めちゃくちゃ力が強いぞ!なんだこいつ!?
ズルッ!ガサガサッ!と音を立ててトンネルの奥から出てきたのは…でっかいカブトムシ?…じゃなくてダンゴムシ?
いいや!これがヨロイモグラゴキブリだ!大きすぎる。大きさは8センチほどだが、ゴキブリとは思えないほど体がぶあつく、重い。ついでにガッチガチにカタい。甲虫みたいだ。
なるほど!ヨロイを着たようにカチカチで、モグラのように穴を掘るからヨロイモグラゴキブリか!
<家族でくらすゴキブリ!?>
ヨロイモグラゴキブリはとてもおもしろい習性をいくつも持っている。
まず穴をほってくらすというのも台所にいるあのゴキブリたちとはぜんぜんちがうよね。昼間はトンネルの奥にひそみ、夜になると地上へ出てエサを集める。主食はユーカリの落ち葉で、他にも雑草やくさった木の実などいろいろなものを巣穴に持ち帰って食べている。巣穴の周りに落ち葉がなかったのはこういうワケだ。
エサを地上から巣へ持ち帰るあたりはモグラというよりアリみたいだね。
アリみたいといえば、このゴキブリは親子で同じトンネルに住む。親が子を守って育てるのだ。
あるていど大きくなってくると、子どもたちは親の元をはなれて自分の巣穴を持つようになる。そして何年もかけて成虫になり、結婚相手を探してまた子どもを育てる。昆虫としてはとても長生きで、10年近く飼われた記録もあるそうだ。
なんだこのゴキブリ! でかい上に強くて家族思いとか! カッコよすぎ! 大好き!!
実は「世界でいちばん大きい」とされるゴキブリはいくつかある。体の長さではアフリカのマダガスカル島にいるものがヨロイモグラゴキブリをわずかに上回るし、翅の長さも計算に入れるなら南米の森に住んでいる種も候補に入る。しかし、体重という点ではこのヨロイモグラゴキブリがぶっちぎり。もちろんパワーも。彼らこそゴキブリ界の横綱なのだ。