まるで現代の恐竜!かっこよすぎるトカゲ『グリーンイグアナ』<後編>
1970.01.01

▲日光浴で体を温めているグリーンイグアナ。体が温まるまでは体色が黒っぽいが、少しずつ緑色があざやかになってくる。

▲十分に日光浴を終えたオス。すっかりあざやかな緑色にそまっている。
ところで一見するとド派手なグリーンイグアナのこの姿。実は自然の森や草原では意外にも見事なカモフラージュになる。
緑色でまだら模様の体は茂った木の葉や草にすっかり溶け込むし、トゲトゲのクレストはシダやソテツの葉っぱにそっくりだ。

▲この模様とトゲトゲのおかげで……。森に入られるとぜんぜん見つからない!!まるで天然の迷彩だ。
いやいや!こんなにでっかい怪獣みたいなトカゲ、近くにいたら絶対気づくよ、見つかるよ!!…って思うじゃん?ホントに見つからないから。たまたま土や枯れ木の上にいてくれたらわかりやすいんだけどね…。
そんでもって動きもすばやいから捕まえるのも一苦労。

▲地域によっては大きなオスがオレンジ色になることも。これはこれでかっこいいな!
…ん?捕まえてどうすんだって?実はこのグリーンイグアナ、原産地の一部ではごちそうとして食べられているんだ。
僕も何度か食べてみたことがあるけれど、たしかにおいしい!!
オオトカゲなど大型のトカゲ類にはちょっと肉にくさみのあるものも多いのだけど、グリーンイグアナはニオイがなく、とり肉のような味で食べやすい。
これはグリーンイグアナの食べ物に理由があるのかもしれない。彼らは子どものころは昆虫などの小さな生き物を食べて育つ。しかし成長していくにつれて木の葉や花、くだものなど植物を多く食べるようになり、大人になるとほとんどそれしか食べなくなる。肉食性のトカゲは食べているエサによって肉が生臭くなりがちだが、ベジタリアンなイグアナの肉はにおわないのだ。草食性のウシやシカの肉が臭くないのと同じだ。

▲グリーンイグアナのからあげを食べる。…これはおいしい!!
なおグリーンイグアナが自然に分布しているのは中央アメリカと南アメリカだが、本来はいないはずのフロリダや日本(!)の石垣島などでもペットとして持ち込まれたものが野生化し、問題になっている。
なるほど。見た目どおりなかなか生命力の強いトカゲなのだ。
※グリーンイグアナを飼っている人はぜったいに逃さないようにしよう!もともと日本にいる野生動物たちとエサやすみかを取り合ってしまうかもしれないぞ。
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平坂寛(ひらさかひろし)
1985年、長崎県生まれ
幼少の頃より動植物に強い興味を持ち、「五感を通じて生物を知る」をモットーに各地で珍生物を捕獲している。
「生き物は面白い」ということを多くの人に伝えるために学生時代から生物専門のライターとして活動を開始。
ウェブサイト「Monsters Pro Shop」編集長。
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