宇宙船「こうのとり」宇宙ごみをなくす実験へ

宇宙ごみとは、古い人工衛星やロケットの破片(はへん)で、「デブリ」と呼ばれます。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、宇宙ごみは地球のまわりを秒速約7キロの猛スピードで飛び、
大きさ10センチ以上のものは約1万8千個あります。
宇宙ごみは、ステーションや衛星に衝突するなどのおそれがあり、減らすためにさまざまな研究がされています。
画像:「こうのとり」6号機を搭載したH-ⅡBロケットの打ち上げ(JAXA提供)

先月9日に打ち上げられた、無人補給機「こうのとり」6号機は、国際宇宙ステーションに、食料や電池などの物資を届けました。
そして1月28日午後、「こうのとり」は国際宇宙ステーションから切りはなされ、これから約1週間、宇宙ごみを取りのぞくための実験に取り組みます。

今回の実験では、宇宙ごみに見立てた20kgの重りを長さ700mの金属製のワイヤーの先に取りつけ電流を流します。電流が地球の磁場と影響しあうことで、進行方向とは逆方向の、ブレーキをかけるような力が発生するかどうかを確認します。
これにより地球の引力で高度が下がっていき、大気圏で空気との摩擦が起こり、宇宙ごみは燃えると考えられています。
画像:ロボットアームにより切りはなされる「こうのとり」6号機(JAXA提供)

実験に使われるワイヤーは、「テザー」と呼ばれ、広島県の漁網メーカーとJAXAが共同開発しました。
JAXAでは、この世界初の技術を、2025年ごろまでに実現させたいと考えています。